編集者から読者へ
"政治"とのつながり
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1961年3月10日
Published Date 1961/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202282
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"看護課復活あやうし"の声に,看護協会および看護連盟は活潑な動きをはじめた.本年早々,湯槇会長,古井厚相と面談—を手はじめとして,各支部を通じて地方議員への働きかけを行ない,厚生省にデモをかけるなど,いろいろな働きかけを行なつて来ている.
看護協会会員すべてののぞむところは,"看護業務の向上"であり"ナースの社会的地位の向上"にある.そして結局はそれが患者へのよいサービスにつながる問題である.そのためには,行政の確立は必須の問題であろう.病院ストを通じて表面化した看護婦の低賃金と労働の悪条件,完全看護の実施,基準看護の持つ矛盾,制度の検討なくしては,どうにも動きのとれなくなつた看護教育,現任看護婦の質的向上のための再教育等々,手をつけなければならない問題は山のようにある.確かに看護課の復活は急務の問題である.行政の確立がまずは業務の向上を促進するものであろう.看護行政研究会の調べによれば,地方の看護行政は,係の人員の減少,係長の廃止というような形で縮小の傾向にあり,その結果,看護係は免状書きに追われて,業務指導も再教育もできない状態になつて来ているということである.だが,現場の人々は,保助看すべてが県の看護係にカウンセラーの仕事や,コンサルタントとしての援助を求めている.病院や,村をまわつて本当に現場の援助をできる看護係長が一体何人いるであろうか.思えばうそ寒い話である.
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