連載 高嶋妙子のページジャック!・5
看護と政治
高嶋 妙子
1
1聖隷浜松病院
pp.634-635
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900871
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専門職の立場から,政治に対して各種の要望をしていくことは当然の権利であるが,国政選挙がある年の県看護協会長の立場はつらいものである.なぜかというと,看護の世界には,政治によってしか改善できない問題がたくさんあることが骨身に染みている層と,昨今の世間全体の政治不信も加わっての無関心派との両極端を,束ねなければならないからである.この両極端の中間は少ない.この悩みは,協会長だけでなく各施設の看護部門責任者にも共通すると思われる.私は,この問題の本質は,建前と現実のギャップにあるのではないかと捉えている.
政治活動は誰にでも許されているものであり,この建前は正しい.だが実際には,それを選挙運動の形で表わすしかないことは多い.その現実が建前に高まっている人たちは,具体的な目標や活動に向かうときパワフルである.その一途さはうらやましい限りだ.ここに「シンプル・イズ・ベスト」を感じる.
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