講座
フランス,イタリアの小児保健事業について
上村 菊朗
1
1関東逓信病院小児科
pp.45-49
発行日 1961年1月10日
Published Date 1961/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202254
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ヨーロツパの国々は,それぞれ隣国の刺激を受けることによつて,日進月歩の母子保護制度の改善がみられるが,国際的刺激の少ない島国日本の現状は—本年,国際小児センター主催の社会小児科学講義に出席した筆者に,フランス,イタリアの母子保健の制度と事業のあり方を聞いて,今後の公衆衛生活動のあり方について考えて見よう.
フランス,イタリアでの小児保健事業を紹介するようにとの御依頼であつたが,小児保健と母体の保健が表裏一体であることを考えて,母子保護事業について述べてみたいと思う.小児保健上,遺伝学,優性学,胎生学のような出産前の因子研究が重視されている欧州では,母体と小児の保健は別々に取り扱かわれず,いつも母子保護という一単語に表現されている事に強い共感を覚えたためでもある.
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