欧州における救急医療の問題・2
フランスとイタリアの救急医療
渡辺 茂夫
1
1国立熱海病院
pp.80-84
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205136
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フランス
パリの救急医療パリの救急医療の現状は,4つの,いわゆる国立病院(大学の付属病院はパリにはない)を中心にして,各国立病院が曜日をきめて分担して救急医療を担当している.次の病院はいろいろの意味で有名である.すなわち,1)ラリボアジア病院,2)サンダンス病院,3)ピチイエ病院,4)サルピトリエ病院である.また,最近設立し,整備したものにホッシュ病院とアンリイモンドール病院がある.現在は,医療情報センターの独立したものはないが,情報は警察のAmbulance station (救急車駐在所)に連絡がはいる.救急車が出動して,この4つの病院の当番に当たっているいずれかの最寄りの所に運搬する.4つの病院は,4日に1回ずつ交替して責任を果たしている.また,他の救急輸送組織の中にEurope assistance (ヨーロッパ救急協会)があり,これは別に述べるが,かかる組織の下に搬送をしている.
搬送は救急自動車,救急ヘリコプター,小型・中型航空機を使用している.とくにヨーロッパアシスタンスは,外国からの搬送をすみやかにするため小型救急輸送機,時に大型機を利用している.ヨーロッパにおいて飛行機を最も幅広く利用するための計画のできているところは,フランスが一番である.
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