1200字通信・32
陽はまた昇る―震災に願う
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.37
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103781
- 販売していません
- 文献概要
今年の3月11日午後2時46分18秒,東日本沖の広範囲で大地震が起こり,未曾有の災害が発生しました.地震の発生直後,これまでにない同時中継の映像を目の当たりにして驚きましたが,これほど大量かつ詳細な情報が繰り返し流されたことは,これまでになかったのではないでしょうか.始めのうちは驚きながら見入ってはいましたが,その映像と同時進行で尊い生命や思い出の品々が失われていたわけで,無機質な画像が持つ残酷さを思い知らされることになりました.
被害のなかった私達のところでも,震災後のしばらく,テレビ放映は被災地の報道一辺倒となり,通常番組やCMの自粛もあって,日本中が震災による非常事態下にあることを実感しました.また,私の外来では,繰り返される震災の報道に接して気分が悪くなったり不眠になったりと,うつ症状を訴える患者さんが続き,こうした大災害は,直接的,間接的に人々の心を蝕むものだと知りました.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.