連載 おニューな地球人・40
陰から陽へ爆発するお産という醍醐味
きくち さかえ
pp.616
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901291
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妊娠,出産にはいろいろなイメージがつきまとう。セックスの延長上に生産されたという性的でエッチな側面。望まない妊娠,中絶というマイナスのイメージ。流産,あるいは出産の危機的状況。魂が交差する場という神秘性。月経や出産に対するケガレ。いずれにせよ,陽というよりは陰のイメージだ。
だけど,そうしたあやしい状況も,赤ちゃんが生まれると,いきなり生命の尊厳だの,ハッピーハッピーな子孫繁栄にとって変わり,子どもは国の財産となって,女と男はお母さんとお父さんと呼ばれて,一家は生産性の対象として迎え入れられる。そこにはもう,エッチな感覚も,ケガレの陰も何もない,陽の世界だ。
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