新しい年を迎えて 新年にあたつて
曲り角に来ているこの1年
永野 貞
1
1看護協会保健婦会
pp.17-18
発行日 1960年1月10日
Published Date 1960/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202002
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皆様新年お目出度うございます.昭和35年といい1960年といい数から申しましても何となく区切りがあつて一入改まつた想がいたします.保健婦雑誌編集部から新年号に今年の保健婦事業に望むものを何か書く様にすすめられました.これが結果的にそうなるかどうか分りませんが保健婦会の仕事をしている現在の私,そして公衆衛生院看護学部で保健婦教育に参加している立場等を前提として,私の胸に去来する様々な想をのべてみたいと存じます.
去る11月5日本年度の黄綬褒賞,藍綬褒賞の授与式が首相官邸で行なわれ私も日本看護協会長代理で参列しお祝いの言葉をのべる機会が与えられました.これは保健衛生(黄綬)と社会福祉(藍綬)関係の第一線で長年に亘つてよい御仕事をなさつてこられた方々に対して総理大臣からの褒賞であります.名簿をみますとどの方も社会の第一線にあつて式は民生委員,町村長として学校医,学校歯科医,開業医又は薬剤士として或は養護施設の責任者として保母として助産婦として看護婦等々として絶えざる努力を続けてこられた方々ばかりでした.お年は87歳を筆頭に53歳まで約70名の方々がこの栄誉をうけられました.私の感心しましたのは殆どの方々の御元気でお若くみえることでした.まことに意気さかんで今後一層母子衛生につくしたいといわれた助産婦の方はあと2年で80歳になられる方でした.
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