histoire de la chirurgie・2 外科史外伝—ルネッサンスから"外科の夜明け"まで・1【新連載】
ラテン語医学からの曲り角
大村 敏郎
1
1川崎市立井田病院手術室
pp.91-94
発行日 1982年1月20日
Published Date 1982/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207872
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□はじめに
一昨年の1月から6月にかけて「アンブロアズ・パレの世界」という名のもとに5回連載で,近代外科の祖といわれるルネッサンス期の1人の外科医の生涯を中心に,後世に与えた影響,特にその外科がわが国に伝わつてくる過程などにふれて,本誌にかかせていただいた.
幸,関心をもつて読んで下さる方が多く,改めて第二のシリーズの筆をとる機会を得た.今回は1人に焦点をおくのではなく,時代を超えた流れとして外科をみていきたいと考えている.今日われわれの手にする外科総論各論の書物の中に解剖名や疾患名,手術名などとしてチラッと名が出るだけで,いつの時代の人か,何国人なのかさえ知られずにいる外科医が多数いるが,そのうちの何人かにふれることになるであろう.出来ればその時代背景にふれてみたいものである.外科そのものというよりも外科の育つてきた背景と,他の領域ではよく知られる研究や史実と照らしあわせて浮彫にしたいというつもりで,このシリーズを外科史外伝と命名した次第である.
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