社会の窓
妻は無用か
阿部 幸男
1
1読売新聞社婦人部
pp.46-47
発行日 1959年7月10日
Published Date 1959/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201907
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或る婦人雑誌の最近号の巻頭を飾つて「妻無用論」なる変つたタイトルの一文が掲載された.もつとも,内容はサラリーマン型家庭の妻の存在理由は失われつつあるという趣旨で,要は妻も職業を持つて,社会的な生産活動に従事しなければ存在価値はない,すべからく妻も仕事を持つべしという主張である.従来からも,よく言われてきたことの形を変えた論理の組立てをしてあるだけで,大して目新しい主張でもない.
思えば,戦後から引き続いて今日に至るまで,妻の座をめぐつて種々の角度から,いろいろの主張がくりかえされてきたものである.ということは,妻の座がヤスコミの材料にされてきたということにもなりそうだ.その理由の一つは,女性がそれらの主張にすぐ敏感に反応して,右往左往するからであるとも言えよう.
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