ひろば
セラピストに診断学は無用か?
奈良 勲
1
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.658
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101003
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標記の題名は,小野啓郎氏(大阪リハビリテーション専門学校長,整形外科医,大阪大学名誉教授)が勤務されている専門学校の紀要に掲載予定の小論のテーマである.筆者は小野氏からその小論に対するコメントを求められたので,直接回答したが,ここに小野氏と筆者の見解を述べてみたい.
小野氏の小論の主旨を筆者なりに解釈すると,理学療法士・作業療法士養成校のカリキュラムのなかに,「評価学」が含まれている.しかし,医学を基盤として,適切な診断と適応(治療介入)のもとに医療サービスを長年提供してきた医師の立場からみると,セラピスト(とくに,学生の臨床実習において)は単に検査・測定によって個々のデータを収集することに終始し,対象者を疲労困憊させているのではないか?たとえば,「障害診断学」としての概念と方法論とを確立し,より適切な障害の診断と治療指針のもとに介入する必要性があるのではないか,と指摘されている.
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