社会の窓
内縁の妻
阿部 幸男
1
1読売新聞社婦人部
pp.44-45
発行日 1959年9月10日
Published Date 1959/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201941
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最近,内縁の妻の権利を認めるのはけしからんとか,いや結構だといつた論議が新聞の家庭欄あたりを賑わせた.民法の親族法を改正するために,昭和29年から法制審議会の小委員会(我妻栄委員長)で,改正意見の検討を続けてきたが,意見もほぼ出尽したので,このほど,親族法改正の問題点としてその経過を発表した.この改正原案のうち,婚姻の項をめぐつて内縁の妻の地位を強化しようという原案の意見が問題になつたわけである.
その意見とは,現状では内縁の妻の地位は不安定なので,内縁の妻でも夫婦別れをするような場合は,その夫に対して財産分与の請求ができることとし,また夫が死亡した場合には,相続権に準ずるものを認めてはどうかという主張なのである.
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