保健婦鞄とともに
保健婦日記
pp.66-68
発行日 1956年11月10日
Published Date 1956/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201302
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
○月○日
私共農村保健婦にとつて迷信と新興宗教ぐらい指導を阻害するものはない.この辺では病におかされると必ずといつていい位,拝屋に見てもらう.私には此の心配がよくわからない,心のうちで否定しつづけながら,表面はこの言葉にバツを合せつつ科学的に誘導してゆくことはなかなかむずかしい.殊に老人の頑固一点張りの人が結核にでもなつたら,全く手を焼き泣きたい思いである.今朝なくなつたAさんは57才の戸主,両側肺結核症ガフキー8号患者届出により初回訪問.この家には別家があつたので隔離し,家族検診も早速行い,患者も重態であつたためよく私の指導に従つてくれた.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.