外国だより
カナダの赤い羽根
杉 靖三郎
pp.64-65
発行日 1956年11月10日
Published Date 1956/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201301
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バンクーバーに着いたのは9月の20日で,東京の仲秋といつた気候である.町の大通りの電柱には,長さ1米もある大きな赤い羽根の看板がずらりと並んでいる.小さな通りにも,家々の壁にも,やはり描いた赤い羽根がつけてある.はじめ見たときは,アメリカン・インジヤンの特殊部落の印かとも思つた.というのは,この羽根は,ちようどこの地方に住むアメリカインジヤンの首長の頭につける羽根とよく似ているからである.
これは,日木でも10月からはじまるコンミユニテイ・チエスト(赤い羽根募金)なのである.カナダでは,9月に行われるのだそうだ。この赤い羽根運動は,戦後アメリカから日本へも入つて来たもので,世界的なものだときいていたが,ニワトリの羽根のぬける時期を利用した,ということで,日本より寒いカナダでは9月に羽根が抜けるのだそうだ.
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