口絵
水上救助の実際
pp.1-4
発行日 1954年8月10日
Published Date 1954/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200777
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いきおいのある夏がやつてきました.誰もが水にしたしみをおぼえ,真夏の太陽のもとで,楽しく体のきたえられるのもこのときです.
また,水にたわむれているうちに,水魔の悲しみをよびおこすことのないよう,水上救急法を心得ておきましよう.1.ボートを使つて溺者を助けるときボートを漕ぎよせオールを差しだしつかまらせ.2.舳の方へ廻し助け上げる.3.ボートの上での正しい座席交替.4.あやまつた交替法.一緒に立つとあぶない.5〜7.物を差し出して救助する場合は,板などにつかまらせ,ひきよせて,岸に進む.8.代用浮袋として,ボストンバックをさかさにしたり,9.ズボンのすそをむすんでも浮ぶ.10〜12.だき合つて溺れているものは,2人をはなし,泳げないもの,疲れているものからたすける.13.海岸などで波が荒く,しかも救助が長距離になる場合,ターペイドブイを用いる.これは,溺者につかまらせ,岸へ合図をして引いてもらう.14.飛び込みで首の骨折などの場合,絶望視されるものもこの運び方で助かることがある.このとき足を先にして進む.15〜16.ニルセン式人工呼吸.17〜18.セーファー式人工呼吸.いずれも常に速度を一定に保ち,長時間にわたるときは,交替者を用意し,また保温につとめることも大切である泳いで,泳ぎ疲れたものを救助するときは,まず顔を水面からはなすようにすると溺者は安心感を得る.
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