連載 『保健婦雑誌』に見る戦後史・2
水上生活をする人々
木村 哲也
pp.442-443
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101872
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■船に暮らす人々
かつて東京,横浜,名古屋,大阪,神戸,関門といった港湾には,桟橋と沖合の海上に停泊している本船との間を往復して,荷積み,荷下ろし,運搬をする港湾業者がたくさんいた。彼らは,陸に定住することなく,船の中に家族ごと居住していた。明治中頃に現れ,1960年代には姿を消した。日本の近代化を舞台裏で支えた人々である。
「水上生活者をまもる人々」(1951年6月),「はしけの人々をまもって―水上生活館の働き―」(1959年9月),「ある生活 水上生活の人びと」(1964年11月)の3篇は,彼らを取材したものである。前2者は東京,後者は神戸が舞台となっている。当時の編集部は,こんな対象にまで目を向けていたのかと驚かされる。
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