隨筆
女性と職業—特に病氣欠勤について
松岡 脩吉
1
1東京大学医学部
pp.41-44
発行日 1954年6月10日
Published Date 1954/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200754
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戦時中もさることながら,戦爭終了後も産業が恢復に向うにつれ,いろいろの事情で,婦人の就職は戦前ほどには少くならず,他方家庭的社会的負擔は増していると考えられ,婦人勞働の問題はいよいよ重さを加えてきていると思われる.
婦人及び年少者の勞働保護は,歴史的に見て最も早くからとり上げられたものであり,各国ともそれに関する法律を早くから制定している.保護法規の制定には,単に身体的精神的機能についての学問的なデータ,ひいては衛生学的な根據だけによるとは限らず,諸々の社会的な事情も参酌されるのが実際ではあるが,何といつても生活している人間についての科学的な基礎が中心になる.
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