発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907146
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眼はからだ全體から見れば随分小さい器管ではありますがその働きから言えばどの器管にも負けないほど大切な役目を持つているとも言えましよう。「もしわれわれの兩眼が,急に見えなくなつたら……」と考えたゞけでも,どんなに眼が大切なものかゞ分ります。聖書に「眼はからだの燈火なり。もし汝の眼くら、ければ全身くらからん。」という言葉がありますが,誠にその通りです。毎年10月10日は「視力愛護デー」といつて,特に眼のことに注意をむける日になつていますので,今日は眼の病氣のうちで特に失明の原因になる重い眼病についてお話いたしましよう。
いつたい,どんな眼病が失明の原因になつているかということは,逆に,現在失明している人を多數しらべてみると分ります。この統計の結果は都會と田舎などで多少ちがい,また盲學校や病院など,統計をとる場所でも多少ちがいますが,私が昭和11年に岩手縣の盲人約700人についてしらべた結果は次の通りです。
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