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坊やの病氣
熊谷 竹與
pp.30-31
発行日 1955年2月10日
Published Date 1955/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200900
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正月3日お正月気分で寢正月とばかりゆつくり休んでいると,夕方あたりが薄暗くなる頃,雪で眞白になつたおぢいさんが,腰をまげて「孫が急に具合が惡くなつたから一寸来て見て下さい」との事,雪の中を約一里ある村はずれの家へと道を急ぎました,運の良い事に途中で隣村の老先生に御会いしたので是非とも往診して下さる樣御願いすると吹雪の中を心よく承知して下さり,一緒に坊やの家へ急ぎました.
患家へ着いて見ると三才の坊やが一昨日より風邪を引いて休んでいた所,今日の晝頃より急に呼吸困難を来たし元気なく危険状熊になつたとの事でした.体温38.5°,先生の御診察の結果両側カタル両性肺炎との事で,相当心臟衰弱を来たして危険だと申されました.
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