講座 2頁の知識
しもやけの豫防と手当
安田 利顯
1
1関東遞信病院皮膚科
pp.30-31
発行日 1953年12月10日
Published Date 1953/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200646
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しもやけは吾国では多いが,もつと寒さが酷しい北米には少い.これは,濕気がしもやけの発生に大きな関係をもつているため.從つて冬の間,手をぬらしたままで,外出することは良くない.男子より女子に多く,10竝に20才代に頻発する.然し同一環境にいながら,ある人ではしもやけが毎年繰返してできるのに,他人ではそうでない.これは,矢張りしもやけの出来易い体質があるとより考えられない.即ち,手足の冷い,屡々チアノーゼが見られる人に多い.然も,手足,耳殻,鼻尖等に出来易いのは,矢張り血液循環と関係が深いことを示すものである.面白いのは,農夫が冬の間トラクターを操縦していて,臂部に出来たという話である.吾国でも,肘,膝に多いのは同じ理由で,冷いもので壓迫されるため,寒さと血液循環障碍が同時に強く仂くためである.
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