主張
いわせてもらいます
pp.5
発行日 1952年2月10日
Published Date 1952/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200224
- 有料閲覧
- 文献概要
民主政治,無差別平等,男女同權,女權擴張と,目まぐるしく廻轉している間に,女性の社會的地位も飛躍的に向上した。女子と職業も其の線にもれず,社會的進出は目覺しい。わけても,女性の天職ともいうべき看護の職が,永月の醫師の隷屬的在存から脱皮して,其の專門技術の獨自性を認められ,專門職業として醫療の一半を擔うこととなつて其の地位の向上は法的に承認され,確立した。が併し,實體はどうだ,獨立した專門職業であることを實證する動きはどこにあるだろう。折角の法律も空念佛に終つてはいないだろうか? マスターベーションに陷つてはいないだろうか? 保健所に働く保健婦の地位は? 學校に,町村役場に職を奉ずる保健婦の待遇は? 定められた業務の範圍外の仕事をおしつけられて泣寢入りしてはいないだろうか? 30年,50年,血の汗を流して戰いとつた諸外國の實力に比べて,所詮はもらいもののたなぼた式安慰さがありはしないだろうか? 看護の地位の向上をはかり,其の水準の高揚が企圖され,實施にうつされた時保健婦は何を望んだであつたろう?
高い標準に到達すべく熱心に努力する群に入つたであろうか?
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.