特集 一般診療の薬 Essential Medicine 80
薬を上手に使ってもらうために
伊藤 澄信
1,2
1国立病院機構本部医療部研究科
2順天堂大学臨床薬理学
pp.536-537
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100111
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薬の飲み方
薬の用法については,わかっているようで理解されていないことも多い.たとえば「食後」と書いてあるのは食後30分ぐらいを目処に飲むことなのだが,通常は食事のすぐあとで食後のお茶と一緒に飲むことが多いかもしれない.「食間」は食事と食事の間の空腹時を指すが,食間でなければならないのはジダノシンなどごく一部の薬剤だけである.多くの漢方薬は食前あるいは食間となっているが,薬剤の効き目がマイルドで効果を強く出したいところからきているようである.
食事によって薬剤の吸収が悪くなるとは限らない.イトラコナゾール(R)(イトリゾール)は,空腹時に服用すると食直後の服用と比べて最高血中濃度が40%しか上昇しないことも知られている.空腹時は胃の蠕動運動が低下しているため,胃からの排出時間が延びる.腸から吸収される薬剤は作用開始までの時間が延長することがある.
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