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アメリカの保健婦—家庭訪問隨行記—2
岡西 順二郞
pp.49-52
発行日 1951年7月10日
Published Date 1951/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200115
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—第2信—
家庭訪問について行つたのは自分にとつて非常に有益であり,興味が深かつたと話したら,今日もう一度行つたらどうかという。もう澤山だともいえないので,内心ではいやいやながらOKと答えた。今日はミス・レインという黒人のお伴である。一通り今日の計畫を話してくれるが少々早口なのでわかりにくい。レインさんのいうには,自分の受持區域は北の方で黒人ばかり住んでいる汚い所だが,フィツプス研究所では,黒人の結核については,特に力を入れているから非常に重要な仕事だという。電車にのつて,どんどん北の方に行き,ある停留所で下りる。
第1の訪問 ツベルクリンを注射せられ,昨日來るべき筈なのに來なかつたので,その反應をしらべに行くのである。一寸した應接室があり,立派なスタンド,電氣蓄音器などがある。「何故昨日來なかつたの,あなたの家には一人患者が出て入院したので,あなたはツベルクリン反應の検査をうけることがどんなに大切かよく話した筈じやありませんか」といゝながら反應をしらべ,測定値を記入し「あなたは陽性ですから來週火曜日にレントゲン検査を受けるために10時から11時までの間にいらつしやい。わかりましたか」
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