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保健婦事業の強化刷新について—地區保健婦事業の運營
箕田 あさの
1
1厚生省醫務局看護課
pp.46-48
発行日 1951年7月10日
Published Date 1951/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200114
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保健婦活動の基本的な姿である保健所の保健婦活動が,從來稍もすれば健康相談の介補にその大半を費され,残りの大半は試驗検査の手傳いや統計の手傳いその他に使われ,保健婦事業の中心である家庭訪問は片すみにおしやられた形で,保健婦の懸命な努力にもかゝわらず,周團の事情理解はまだ充分でなく,保健婦は便利屋のような考えで扱つているのが状態であります。又これを市町村で働く保健婦の場合,保健所や開業の醫師と充分連絡をとりながら活動すべきであるが,どうかすると一人よがりな指導内容になつたり,醫師に惠まれない地區では代診的な活動になつたり,又小組織の團體である場合財政に左右されて事務屋の仕事をおしつけられたりして,充分にその機能を發起する域に達していないのであります。
このような状態でほ例えば10人の保健婦がいても5人分か3人分の力しか出すことができないのであります。まして人口5千に一人の割合の保健婦を目標としている我國では約1萬6千の保健婦が必要でありますが,このような活動では2倍乃至3倍の保健婦が必要となるのであります。ところか,現在の實動數は約1萬2千程度で,目標數にはすでは4千人不足しているのであります。しかし保健婦はそんなに簡單に生み出すわけには行きません。とりあえず現在の少い數で效果をあげることが必要なのであります。
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