結核特集
結核豫防法の解説
松下 廉藏
pp.11-19
発行日 1951年5月10日
Published Date 1951/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200079
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序言
現行の結核豫防法は大正8年に出來ており,したがつて急性傳染病と同じような取扱いで現在の進歩した結核醫學からみると,これを防ぐことから考えて不備であるといわれていたのです。そのほか結核に關する法律としては,昭和23年に豫防接種法が出來ており,その中に結核豫防の豫防接種の規定が入つている。又結核患者の屆出については,総司令部の覺書について,ポツダム政令で傳染病屆出規則が昭和22年に出ておるわけで,これにもとづいて結核患者は屆けなければならないことになつている。
法令の面からは結核對策については上述のよりにいろいろと規定され,又施設面から云つてみますと,國立療養所が200ヵ所近くあるうち結核療養所が,151ヵ所あります。そういう具合に國としても,地方公共團體としても,結核對策にたいしては努力しておるわけです。國全體としても結核對策は重視し,25年度には内閣に設けられた社會保障制度審議會からこれに關する勸告が出ており結核については,特別の考慮が拂われているわけです。
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