2頁の知識
麻疹の豫防法
内藤 壽七郞
1
1日赤中央病院小児科部
pp.30-31
発行日 1954年3月10日
Published Date 1954/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200697
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予防すべき対象:年令的に云えば3年までの者は必要と云うべきである.肺炎をおこしやすいからである.そしてたとえ肺炎を起さなくとも殊に乳兒期に肺炎をやると肺炎を起さないにしても麻疹のあと,毎年冬になると咳が出やすくなつたり.気管枝炎をおこしやすくなつたりするからである.これはおそらく麻疹にかかつたあと気管枝拡張症のような状態になりやすいからである.次に年令にかかわりなく予防の必要なのは結核感染後2年以内と思われる場合である.次に平素からすぐに気管枝炎をおこしやすい子供はやはり肺炎や,気管枝拡張症の問題がある.それと非常に神経質な子供,あるいは栄養のよくない子供,これはやはり合併症として麻疹脳炎などを起し易いからである.その他自家中毒をおこしやすい場合,これも麻疹の時は自家中毒がこりやすいからである.あるいは小兒ぜんそくのある場合も同樣である.乳兒期に麻疹をやると軽いからとてわざわざ麻疹貰いと称して,乳兒を患者のそばにつれて行くと云うようなことをした人も昔あつた.乳兒は半年前後までは時とし軽くてすむこともあるが,肺炎の危険は大きいことを忘れてはならないのである.
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