書け，書け！

　戰時中，歩け歩け，何でも歩け，とにかく歩けといつたふうの歌があつたのを覺えていますが，奇妙なリズミカルな節まわしの，妙なうただと思いました。併し，よく考えてみますとこれは歩くことを奬勵する健歩精神を含めた1つの方法で，何でも文句なしに，理屈をいわずに，とにかく歩けばいゝんだと教えているのです。

　ものを書くということ，これは仲々にむつかしい，と，まず誰も考えている事でしよう。1部のそれを本業としている人々は別として，とくに保健婦の方達のように習慣づけられてない人達は餘計にその感が深いのではないかと思います。