特別記事
海外文献レビュー―ドメスティック・バイオレンスの3つの要因
畑下 博世
1
,
守田 孝恵
1
,
石川 由美子
1
1山口大学医学部保健学科
pp.1154-1158
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100218
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「ドメスティック・バイオレンス」という言葉を日本語に適切に置き換えることは難しいと思われます。ドメスティック・バイオレンスに対する運動は1970年代のアメリカで,夫や恋人から受けた暴力の経験を語りはじめた女性たちと,彼女たちを支援する女性たちによって始まりました。そしてこの言葉は,“男性による女性への暴力”や“男性の女性支配を支える社会のあり方”への批判を反映し,そのことを社会的問題とするものでした。つまり,本来は対等であるはずの男女間で,女性が男性にコントロールされたり,従属させられたりすることが社会的に容認されていることを問題としたのでした。
彼女たちは全米各地にシェルターやホットラインを作りだして,法改正や警察の対応の改善を求めていきました。その運動のなかで,女性たち自らが置かれている状況を反映する言葉として「ドメスティック・バイオレンス(以下DVとする)」という言葉を使いました1)。
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