特別記事
保健師の免許制度は必要―本誌4月号の坪倉論文・菅原論文を読んで
村嶋 幸代
1
1東京大学大学院医学系研究科地域看護学分野
pp.536-539
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100101
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本誌59巻4号のFOCUS欄で,菅原京子氏は“保健師資格と看護師資格とを一本化すべき”との論を展開し1),坪倉繁美氏は“4年課程では看護師のみを教育し,将来的には行政で働く保健師を専門看護師として位置づけ,大学院などで教育する必要がある”と指摘した2)。両論とも現行の保健師免許制度を根幹から再考すべきとしているが,筆者は「4年制課程における保健師教育は必要」「現行では保健師の免許は必要」と考えている。本稿では,米国での公衆衛生看護の動向,保健師に求められる能力の変化,保健師のキャリアパスと大学院教育の役割を踏まえて,現行の体制のままで保健師免許と看護師免許とを統合することの危険性について述べ,両者に反論したいと思う。
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