連載 衛生制度の開拓者たち—明治はじめ京都における政策をめぐって・15
医師の免許制度
小野 尚香
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
pp.1112-1115
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901064
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明治という年号にかわる数か月前,新政府はいち早く西洋医術の長所を採用すべきであると宣明しました2)。これは西洋医学を基本とした新しい医療体制を築いていく方向性を示すものとなります。
明治7(1874)年8月,政府は医制を発布し,衛生行政の指針として示しました。そこには政府の統括の下に行政機構を整え,西洋医学に基づく医学教育を確立し,その上に医師開業免許制度を樹立することが記されています2)。その実施については当初,地方の政務に委ねられました。
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