巻頭言
本誌への期待
岡安 大仁
1
1日本大学第1内科
pp.113
発行日 1982年2月15日
Published Date 1982/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203921
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本誌1巻4号の巻頭言に、杉靖三郎教授は,「Vir—chowの病理解剖の目ざすところは,"死せる"形態変化ではなくて治療を目ざして"生きた"生命現象を究明するところにあった」として,「病理解剖から病態生理への道」を説いておられる。さらに,「"肺"と"心臓"を,"呼吸"と"循環"としてとらえ」さらに両者を"いき""みゃく"という古来からの生命把握の現代的展開としての"呼吸と循環"を強調しておられる。杉教授の指摘されたようにVirchowは誤まり伝えられてしまったのかと思う。本誌と歩を同じくして発足した,呼吸・循環談話会は,故笹本浩教授の精力的な御努力を中心にして,"呼吸と循環"のテーマを追い熱心な討論の場としてきわめて有意義に経過し,その後の本誌の大きな支えとなっていたことは申すまでもないことである。しかし,研究の趣くままに,循環はより循環動態を指向し,呼吸はより肺機能を指向し,麻酔や胸部外科,心臓外科はそれぞれの分野に切実さをもちつつ研究会や学会にと発展していった。
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