連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・24
職業としての老人ケア[2]
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2日本老人福祉財団
pp.816-819
発行日 1988年8月1日
Published Date 1988/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923159
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◆基本問題と取り組む姿勢
前号で明らかにしたように,職業としての老人ケアを考えることは,歴史的な時間尺度を必要とする問題に取り組むということである.私たちは職業という概念をてこにして,弁証法的論理によってそれに新たな意味を与え,究極的には近代という時代と,そこで発展を遂げた産業社会と,その中での人間と人間の関係の在り方を超える論理を獲得すべき時にきているのである.
老人のケアは決して機能分化の方法では対応しきれないこと,そして,そうした老人が多数出現し,彼らのケアに職業として従事する人間も多数必要になるという状況は,この論理の獲得に向けての突破口になる.
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