連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・31
老人のケアと生活史
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2(財)日本老人福祉財団
pp.294-297
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923203
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“知る”ことを意識化する
年老いて衰え,自分の力だけでは生活ができなくなり,他者の援助を受けるようになった老人が置かれている状況を,私たちはケア状況という言葉で考えてきた.
職業としてケアに従事する人々の立場からみると,それまで未知であった老人が突然現われるという形でこの状況は始まる.ケアの展開は,具体的な援助行為と並行して,老人個人についての情報収集を軸に動いていく.この種の情報を個人情報と呼ぶことにする.
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