特集 老人ケアの現場から
座談会/老人ケアの最前線では—老人病院,地域におけるケアの担い手として
木下 康仁
1,4
,
島野 由紀子
2
,
田中 久美子
3
,
長谷部 たつ子
3
1立教大学
2横須賀市保健衛生部保健衛生課
3青梅慶友病院看護課
4(財)日本老人福祉財団
pp.858-868
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922355
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聞こえてこないケア従事者の生の声
木下 ご存知のように,来年度から看護職養成のカリキュラムが改訂され,老人看護学が専門科目として新設されるようです.一方,福祉の方では社会福祉士,介護福祉士が,当面は名称独占という形ではありますが,専門職として制度的に資格認定されています.いわば看護,福祉の両方の分野から老人のケアに関して,この領域で働く人たちの専門性を明確にする方向で新しい動きが始まっています.
こうした中で関連書物も数多く刊行されているのですが,私は少々物足りないものを感じています.老化に伴う心身状態の変化や,具体的なケア行為などについての知識は確かに必要なものには違いないのですが,それだけではない何かが欠落しているのではないかと思っています.
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