連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・30
配偶者のある老人のケア
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2日本老人福祉財団
pp.190-193
発行日 1989年2月1日
Published Date 1989/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923182
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夫婦関係はなぜ意識化しにくいのか
前回と前々回,私たちは「老いと夫婦」というテーマで,長年連れ添った夫婦の一方が衰えて,他者のケアを必要とするようになった時,夫婦の関係がどのように変化するかを考え,この問題を分析するための新しい概念としてバイオグラフィーを提起した.今回は,夫婦のうち一方がケアを受ける場合について,実際にケアを提供する側から考えてみたい.
一般には,家族のある老人のケアとして考えられているのだが,家族なるものが夫婦という横軸と親子という縦軸で構成されている以上,やはり分けて分析しなくてはならない.
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