特集 もっと生活の視点を
なぜ生活ケアにこだわるのか—“生活復帰”としてのリハビリテーション
三好 春樹
1
1生活とリハビリ研究所
pp.359-364
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923126
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退院を勧められた老人は
脳血管障害の発作で入院したとしよう.急性期を脱してPT,OTを受け,なんとか杖歩行とセルフケアが自立しているとする.入院して,4,5か月も経つと,婦長さんがやってきて「そろそろ退院してください」ということになる.かなり牧歌的な所でも6か月が限度ではなかろうか.脳外科の病院だったりすると1か月で退院を勧められることも珍しくはない.
しかし,本人や家族にとっては「はい,そうですか,では」という訳にはいかない.こちらから見れば“歩行可,セルフケア自立”であっても,本人や家族は以前の本人のレベルを基準にしていることが多く,「もう少し良くなってから」と,どこまでたっても思ってしまう.
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