癌患者の手記—私は前を向いて歩く たとえ声は奪われても・2
地獄から天国へ
吉見 之男
pp.226-228
発行日 1985年2月1日
Published Date 1985/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923038
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初めての入院
「私の人生を一変させる第1ページ」という不安と期待の入り混じった複雑な心境で,初めての入院生活がスタート.生活時間の違いは気にならないが,夜中に出る咳と痰で夜はあまりよく眠れない.おまけに,食欲はあっても食べられる物が少ないので,段々と入院患者らしくなってくる.
最初に入った部屋は2人部屋で,差額ベッド.大部屋がなかったので入ったが,大した違いもないのにもったいないからと何日か後に変わることになった.変わった大部屋は,6人の大所帯だからにぎやかで気が紛れる.それに同病者が何人もいるので心強い(この時同室だった方が3人,今は天国へ行ってしまった).
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