増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
緩和医療
がん患者の精神症状・せん妄
秋月 伸哉
1
1千葉県がんセンター精神腫瘍科
pp.230-234
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205646
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疾患の概要
がん患者は,その診断から治療経過中,終末期にかけてさまざまなストレスを体験し,時に精神症状を呈する.がん診断,身体症状や機能低下,社会的役割の変化などのストレスに反応して,一般的にさまざまな心理反応(不安,抑うつなど),体調の変化(不眠,食欲不振,倦怠感など),考え方や行動の変化(自信が持てない,外出しなくなるなど)が引き起こされる.これらの反応が著しく強い場合や,社会生活に支障を来す場合に介入を必要とする「気持ちのつらさ」であると判断される.がん患者では適応障害・うつ病の頻度が高く,10〜20%に認められると報告されている.
不眠もがん患者に多く,30〜50%にみられると報告されている.不眠は睡眠時間だけでなく,持続する眠気や気力低下,集中低下など,日中の障害がある際に治療介入が検討される.
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