研修病院ガイド
東京都立豊島病院
井上 仁
1
Hitoshi Inoue
1
1小笠原村母島診療所
pp.322-323
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900101
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研修内容 1987年6月から1989年5月までの都立豊島病院における初期研修について紹介します.2年間でローテートした診療科および期間は表1の通りです.自治医科大学卒業医,東京都一般公募,公衆衛生の研修医が数人いて,研修医室と称するバラックにたむろし,惰眠をむさぼりつつ,しのぎを削っていました.病院の建物はボロボロで,しばしば行われる改装工事で外面には変化がみられるものの,これこそ正に"としまの厚化粧".特に旧館の門構えなどは,まるっきり幽霊屋敷で映画やTVのロケにぴったりでした.
しかし,その中に充満しているのは湿っぽくカビくさい空気ではなく,新鮮で熱い心意気であり,また超特大病院ではないがゆえに,診療科を越えた医師間さらにはパラメディカルに及ぶ和気あいあいとした雰囲気が溢れ出ています.大学病院に比べれば確かに勉強会の場は少なく,院内よりも外で顔を合わせる機会の多い先生方もいます.研修医が多くないことから争うように患者を取り合うこともありません.何もせずじっと指をくわえていれば誰もとがめることもなくただ月日が経ちます.
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