カラーアトラス 褥創・2
坐骨結節部の褥創―1
木村 哲彦
1
1国立身体障害リハビリテーションセンター・第一機能回復訓練部
pp.126-127
発行日 1981年2月1日
Published Date 1981/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922704
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坐骨結節の部分に発生する褥創は,その発生経過からみて2種類に大別できる.1つは,他の仙骨部などに生ずるものと同様に,麻痺患者等に局所的循環障害を生ずるに十分な圧力(1cm2当たり100g以上とみるべき)が長時間(2時間が限度と考えられている)持続した場合に発生するもので,骨と皮膚の外側から挾まれた部分が循環障害のため壊死に陥り,皮膚から骨に向かって組織は脱落する.
もう1つは,骨と皮膚に接触する部分とで挾まれた軟部組織が強い外力(多くは捻れ,側方向への力)により微細な損傷を受け,血腫や嚢腫状変化を来し,感染,自潰し,結果的に褥創潰瘍の状態に至るものである.この他に擦過創,毛嚢炎等でも同結果に至る.
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