特集 痛みと鎮痛剤—看護からの視点
麻薬系鎮痛薬の使用に際して—特に末期癌患者を対象に
水口 公信
1
1国立がんセンター病院麻酔科
pp.374-379
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922662
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はじめに
阿片から初めてモルヒネの抽出に成功したのは,Sertüner(1803)である.彼が定量的にモルヒネの作用を調べあげて以来,今日では手術時の鎮痛薬,手術後,末期癌の強力な鎮痛薬として広く用いられるようになった.モルヒネの安全性,中毒,依存性などの薬理作用については,既に多くの研究者によって明らかにされているが,どの場所に,どのように作用するかなど詳細な作用機序は,現在なお不明な点が多い.
最近,モルヒネの経口投与をはじめとして,新しい投与方法がターミナル・ケアの中で考えられるようになり,今回はモルヒネに関する新しい知見と正しい使用方法について述べる.
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