学生の研究
回復意欲のない老人へのアプローチ
辻村 美津恵
1
1静岡市立高等看護学院
pp.167-170
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922620
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はじめに
人間はこの世に生を受けたからには必ず死を迎える.老人においては,その避けられない事実が若者以上に目前に迫り,心理状態に,微妙に影響していると思われる.老人心理と回復意欲(闘病意欲)の関係は,身体的変化よりあきらめの気持ちが生じ,そのことがますます回復意欲を減退していくのではないかと感じる.
私は過去3年間の実習で多くの患者を受け持ち,回復意欲のない老人へのアプローチの方法について,考えさせられる場面にたびたび遭遇した.その中で,種々の障害,疾患に悩みながらも,意欲をもち始め,徐々に明るさを増すようになった事例と,極度にがんこな性格であったためか,コミュニケーションがうまくもてず,ラポールに失敗した事例を通じ,患者へのアプローチのあり方について考えたので発表する.
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