特集 回復意欲を失った人々への働きかけ
回復意欲の乏しい老人患者とのかかわりを通して
高橋 はる子
1
,
工藤 洋子
1
,
猪井 恵子
1
1七沢老人リハビリテーション病院
pp.1112-1116
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922864
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はじめに
老齢人口が増加し,現在では老人問題に対して,いろいろな分野から取り組みがなされている.長い生活歴,さまざまな背景を持ちつつ,障害と闘い,訓練を行っている多くの老人患者に接して感じることは,家族との結びつきや,医療従事者との精神的な交流がなければ,訓練効果があがらず,逆効果になるということである.
当リハビリテーション病院に入院してくる老人患者のなかで,入院時にリハビリへの意欲がなくても,日々の訓練の積み重ねにより,少しずつ自分のことができるようになってゆき,徐々に‘やっていこう’とする姿勢が出てくる人が多い.その反面,全く受け身的,あるいは拒否的姿勢で退院していく患者もみられる.
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