寝たきり老人の訪問看護
家族から学ぶ看護の新鮮さ
島田 妙子
1
1東京白十字病院
pp.314-315
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922586
- 有料閲覧
- 文献概要
病人の看護はまず家族の手で始められる
看護婦は,看護の専門職でありたいと努力している.しかしながら,看護のごくはじめは看護婦ではない,患者をとりまく素人の家族から始められている.例えば,気分がすぐれない,熱がある,顔色がすぐれないなどの場合,医師の診察を受けるまでの間,家族は知る限りの知識を集めて一応の手当をするだろう.そこから看護は始まっていると言えるのではないだろうか.
看護婦として働いている多くの人たちは病院または診療所で働いている.そして入院患者の看護または通院できる外来患者の看護に専門職としての機能を果たしていることだろう.しかし病院や診療所を訪れることのできない不健康者はいったいどうなっているのだろうか.医師の往診を受けて医療の恩恵に浴している人も多い.看病をしている家族が医師に病状を報告して,その報告に基づいて医療を受けている人もないとは言い切れない.病院に入院して看護婦の看護を受ける人は,沢山いる有病者,療養者の一部かもしれない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.