くすりの毒性・3
キノホルムの教訓—薬の安全性を守るのはだれか
高橋 日出彦
1
1東京医科大学生理学科
pp.309
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922584
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半年ほど前のことでしたか,拙著“くすりの毒性”を手にした数人の弁護士さんたちの訪問により,スモン病にも,キノホルムの実験的毒性学にも門外漢の私が,はからずも,スモン病法廷斗争に関心をもたざるをえないことになりました,被告側のチバーガイギー社の毒性学者ロベルト・ヘス教授の主張を要約すると,
1)日本の学者たちの試みた動物に対するキノホルムの毒性実験は,毒性学の初歩をもわきまえないもので,学問的意義が極めて疑わしいものである.
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