ルポルタージュ・健康探検
厚生省なんていらないヨ—水俣病,キノホルムなどの“症例”から
平沢 正夫
pp.41-45
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917654
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『五月二十五日』の告発者
去る9月はじめ,小さな文集が発行された。『五月二十五日』という名の,ガリ版刷り,20ページあまりの文集である。発行者は“厚生省・水俣病を告発する会”。部数は百数十部。厚生省の全職員が2,559名(本省のみ)だから,十数人に1人しかいきわたらない計算になる。
5月25日がなんの日だったか,ほとんどの人は忘れてしまっているだろう。が,厚生省の人びとにとっては,かんたんに忘れることができない日になっている。水俣病患者の補償金交渉が大詰めをむかえ,患者の家族や関係者が水俣から上京,厚生省に陳情,すわりこみ組の十数人が逮捕されるという事件がおこった日なのである。
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