カラーグラフ
SMONの緑色物質—キノホルムとの関連
井形 昭弘
1
,
長谷部 碩
2
,
辻 照雄
2
1東大神経内科
2三楽病院第1内科
pp.10-11
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203458
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SMONの緑色物質については,緑色舌苔が本症に特異的でかつ神経症状に密接な関係がある事実が注目され1),次いで時期を同じくして緑便が2)しばしば出現することが認められたが,われわれは最近三楽病院入院患者中に縁色尿を呈した2症例を経験した5).この尿中緑色物質は吉岡,田村3)によって,キノホルムと鉄の錯化合物であることが決定された.このことが緒となって,キノホルムとSMONの関係がクローズアップされ,キノホルムをSMONの原因とする論議がおこったことはすでに周知のことである.われわれの経験6)7)や椿ら8)のデーターから今のところいくつかの疑点も残してはいるが,キノホルム服用がSMON発症の1つの重要な条件であると考えられる.
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