特集 看護評価を問う
看護場面の再構成を通して自己評価を考える
中村 ヒサ
1
1東京医科歯科大学附属病院第3内科病棟
pp.137-142
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922552
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はじめに
私たちの内科病棟で看護場面の再構成を試みるようになってから5年が経過している.きっかけとなったのは,外科病棟勤務が長かった私が内科病棟を受け持つようになり,内科の患者のもつ問題が内向的であることから,ともすれば見落しがちになる難しさに戸惑っていた時,ウィーデンバック著の“臨床看護の本質”を読む機会を得たことである1).この中に──‘看護婦が看護をしている時に感じたり,考えたりしていることは重要であり,それは患者が“援助を要するニード”をもっているかどうか,またその患者がどんな“援助”を必要としているか,そして看護婦はどのような方法でその患者にとって有効な援助をすることができるかなど決定するための複合的な“過程”に沿って方向づけられる必要がある’──と書かれていて,このことを毎日の業務の中で考えていくことは患者の状況の見落しを少なくすることにつながるものと思われた.そこで,病棟の看護婦全員でこの著書の抄読会を行い,その後で患者とのかかわり合いを再構成することにとりかかった.
自己評価は,初めは,その場面で目指した目的にあわせ自由な形式で書いていたが,同著者の次いで発表された“臨床実習指導の本質”の中では,次のような自己評価のための5点が挙げられていたのでそれに従って行っている.
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