ベッドサイドの看護
高度の難聴を伴った筋萎縮性側索硬化症患者の看護
米山 妙子
1
1国立療養所札幌南病院2-1病棟
pp.815-819
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922502
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はじめに
筋萎縮性側索硬化症は筋萎縮と脱力を主体とし,2,3年の経過で死に至る進行性の疾患であり,その治療法はいまだ明らかでない.さらに,この疾患は死の直前まで意識障害を伴わないことから,それに対する精神的看護の重要性は広く認識されつつあるが,その具体的な点については幾つかの問題が残されている.
私たちは過去1年間,筋萎縮性側索硬化症患者の看護を行ってきた.ここで取り上げた患者は,両上肢の運動麻痺と筋萎縮から始まり,症状の進行に対する不安と闘いながら,病状の回復することを期待しつつ闘病生活を送っていた.しかし病状は急速に悪化し,発病より約2年の経過で,最後は球麻痺を呈し死に至った.
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