特集 家族ぐるみの援助を考える
ターミナル期における患者家族ケアについて—事例を通して
梶原 多久美
1
1東京都職員共済組合青山病院外科系混合病棟
pp.1187-1194
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922426
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はじめに
癌末期患者を抱えた家族が病院で生活するということは,大変な気苦労である.
キューブラー・ロスは,「そこに患者の家族がいる時は,あなたはきわめてしばしば,彼らの手を握らなければならないでしょう.家族の手は,死にゆく患者の手よりもきつく握らなければならない」と述べている.これは,ケアする者は患者に目を注ぐと同じように,またそれ以上に家族に対する援助が必要であることを述べていると思われる.
しかし,筆者が勤務している外科系混合病棟においては手術などの治療が中心となる傾向にあり,末期患者に付き添う家族への援助は十分とはいえない。こういう状況の中で,私たちは患者・家族の希望は可能な範囲で取り人れるように努力し,好ましい関係を保つよう心がけている.
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