特集 家族ぐるみの援助を考える
家族の肖像—家族からの情報に盲点はないか
石井 享子
1
1聖路加看護大学
pp.1195-1199
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922427
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現代と家族
何年か前になるが,テレビで『岸辺のアルバム』(山田太一脚本)というドラマが放映されたことがあった.現実の事件(多摩川の決壊)を素材にしたドラマだが,恐らく作者がこの作品に託したのは「家族とは何か」という,考えてみれば非常に重い問題提起だったのではないかと思う.
平穏な憩いの場所に見える「家」が洪水によって流されようとしているさ中,敢えて一家団らんのアルバムを,女優の八千草薫が扮する主婦が取りに戻ろうとする場面がある.この,ドラマの主題を象徴するクライマックスに,強い印象を受けた人も多かったのではないだろうか.
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